会社の規模や業種に関わらず、中途採用で得られる優秀な人材は喉から手が出るほど欲しいもの。
即戦力としてはもちろん、教育コストの削減や社外の知識・経験など、あなたの会社にもたらす影響は計り知れません。
しかし、ここで忘れないでいただきたいのが、その人材を生かすも殺すも会社次第ということです。
この記事では、300社を超える中小企業のコンサルティングを成功させてきた私が、中途採用におけるメリットと注意点について解説いたします。
Contents
「即戦力」以外のメリットは?
生かすも殺すも、という物騒な表現をしてしまいましたが、さっそくメリットを見ていきましょう。
“本当の自己分析”を経た人材が採用できる
学生の多くは「大企業志向」で、なんとなくで大企業や有名企業を選んでばかりいます。
しかし実際に働いてみると、会社の知名度以上に譲れない価値観が見えはじめます。
就活では自己分析を重視していますが、社員としての経験がない学生が頭の中だけでやる自己分析には限界があります。
働くことで自分が何に喜びを感じ、何にストレスを感じるのか?
それを知ることが本当の自己分析です。
自己分析ができた人材を採用することは、会社にとって大いにメリットがあります。
教育コストの時短
即戦力を狙った中途採用とはいえ、何も教えずに仕事をしてもらえるわけではありません。
業界や商材など初めての領域もあるでしょうし、「自社のやり方」に慣れてもらう必要があります。
新卒の場合、3ヶ月ほど教育してから取引先に向かわせるケースも多いでしょう。
社員
そんな嬉しい悲鳴をあげる企業にとっては、「現場の教育負担が大きすぎる」「活躍してもらえる時期が遅すぎる」 という面は無視できません。
最低限教える時間が必要になるものの、新卒採用に比べて大幅に時短できる。
これが中途採用では大きなメリットになります。
中途採用は最大のチャンス!
何度も言いますが、多くの学生は「大企業志向」です。
そして、自らが大事にする価値観を求めて転職する人材は一定数以上います。
見方を変えれば、「社会全体としての壮大なインターン制度を卒業してきた」とも言えます。
この人材母集団のなかには、とても優秀な人材が多くいます。
これは、規模感や知名度では太刀打ちできなかった中小企業にとっては絶好のチャンスです。
ここで大切なのは、その中小企業の”実力”です。
ビジョン、戦略、社風、人事制度…こういった自社の魅力を存分に訴求していくことが、優秀な人材の確保に繋がります。
中途でもビジョン採用していい
中途採用では、ポジションを限定して採用するのが一般的です。
しかし、新卒採用のように入社後に配属先を伝えてもいいわけです。
さらに言えば、自社の掲げるビジョンに共感する人材を採用する「ビジョン採用」をしてもいいのです。
このビジョン採用には、かなり大きなメリットがあります。
それは「自助努力する力の高さ」です。成長スピードとも言い換えられます。
ビジョンに共感する人材は、その実現に向けて自発的に学習し、挑戦し、経験を経て成長します。
やがてそれが成果を生み出します。
中途採用だからといって、前職と全く違う領域への転職でも構わないのです。
ビジョンに心から共感している人材であれば、入社後からでも自発的に必要なスキルや知識を学び取っていくでしょう。
「採用後の処遇」がメリットを最大化させる
中途採用人材の良いところは、言うまでもなく「自社以外の経験をしていること」です。
このメリットを最大化するためには、中途採用人材への接し方が重要となってきます。
せっかく自社にはない経験や知識が社内に持ち込まれているのに、
自社のやり方やルールばかり押し付けるのは絶対にやめてください。
働くなかで今までとの違いを感じたら、良い点も悪い点も共有してもらいましょう。
良い点は社員の自信に繋がり、悪い点は反省のきっかけになります。
社員
「そんなやり方もあるなんて知らなかった」
中の人間には気付けないところを、外から来た人間が気付かせてくれます。
もちろん、その中途採用人材の経験や知識を全てを無条件に受け入れるわけではありません。
むしろそれに対して議論をすることが、より社内の知見を深めていきます。
このプロセスは、組織にとって大きな財産になります。
【面接時の注意点!】会社側が真摯に自己開示をする
「即戦力」以外のメリットについて解説してきました。
転職をする多くの人は、少なくとも一社以上経験しているので、「会社を選ぶ評価軸」が備わっています。
本当の意味での自己分析を経た人材が入社をしたら、活躍も期待できるでしょう。
しかし、優秀な人材の定着には選考プロセスで会社側が真摯に自己開示することが大切です。
例えば、ぜひ採用したい!という人材が来て、面接でこう述べたとします。
人材
「もっとガツガツやっていくような会社で働きたい」
それに対して、面接官が実情を隠して選考を進めていくとします。
面接官
うまく入社してもらったものの、すぐに現状に気付き辞めていきます。
このような事態は、お互いに時間の無駄としか言いようがありません。
中途採用の時ほど自社の情報をしっかりと開示し、win-winの採用・転職となるように厳しく選別し合う。
このような意識が人材の定着に結びつき、中途採用のメリットをしっかりと得ることができます。
中小企業における中途採用のメリットと注意点
中小企業における中途採用のメリットと注意点について解説してきました。
- “本当の自己分析”を経た人材が採用できる
- 教育コストの時短
- 採用後の接し方が重要
- 選考プロセスで会社側が真摯に自己開示する
ビジョンの打ち出し方や採用戦略などでお悩みの方は、オンラインでの無料相談も受け付けておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。