「コロナの影響で、採用計画通りにいかなくなった」
「この先もどうなるかわからない状況では、採用計画の立てようがない」
採用計画に携わる経営者や人事担当者のなかには、このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?たしかに、現在は先行きの見えない時代であり、事業そのものが市場環境の変化に応じて変わっていきます。
とはいえ、もしも採用計画がなければ、行き当たりばったりの人材採用にならざるを得ません。仮にそういった採用が成功したとしても、「なぜ採用がうまくいったのか」がわからないままになります。
振り返りができないということは、いつまで経っても自社の採用力が伸びないということ。先行きの見えない時代だからこそ、採用計画が必要なのです。
そこで今回は、事業が変化していくことを見据えた採用計画の必要性と立て方について解説していきます。
変化を見据えた採用計画の必要性とは?
2020年のコロナ禍において、多くの飲食店がデリバリーへの業態転換を余儀なくされました。市場環境の変化によって、事業モデルが刻一刻と変化していくことが当たり前の時代になってきています。
事業モデルが変わるということは、仕事内容も変わっていくということであり、今後のビジネス環境ではそれが日常的に起こる可能性があります。
これまでは、「就社ではなく就職」の時代と呼ばれ、就職や転職において、会社を選ぶのではなく”職種を選ぶ”ということが強調されてきました。
しかし現在は、「就職ではなく就社」の時代と言ってもよいかと思います。
市場環境の変化に合わせて仕事内容が変わっていく状況下なのに、「この職種でしか働きません」という人材では、扱いに困ってしまいます。
マネージャーA
マネージャーB
飲食店で例えるなら、このような状態です。
変化に対して柔軟に対応できる人材の方が、正社員として雇うのに向いている時代と言えます。つまり、「会社にコミットする人材を採用する」という計画を練る必要があります。
「会社にコミットする人材」を採るための採用計画
会社にコミットする人材を採用するために重要なのは、「仕事内容ではなく、事業理念やビジョンで人材を惹きつけていく」ということです。
なので、「この仕事をやりたい!」よりも「この人たちと働きたい!」という動機が強い人材のほうが、部署転換や職種転換にも柔軟に対応してくれる度合が高くなります。
事業の安定度が高いビジネスであれば、これまで通り事業計画に沿って採用計画を立て、それに沿って必要な職種の人材を計画的に採用していくのが良いでしょう。
しかし、自社のビジネスが「3年後にはどのような売上比率になっているか分からない」という状態であれば、「この事業理念の会社で働きたい」「この社長のもとで働きたい」といった要素で訴求する採用計画を練っていくべきです。
例えば、社長ブログや採用担当者のブログを活用し、自社の理念やビジョンを発信したり、それに沿ってあげた仕事の成果を発信することもひとつの手です。
選考プロセスにおいて「自社のブログ記事の中で印象的だったものと、それを選んだ理由」などを聞くことにより、その候補者と自社のマッチング度合いを確かめることが可能となります。
正社員?業務委託契約?どちらで採用すべきかを考える
採用計画を考える際には、「どの部分を正社員で担うべきか」「どの部分を外注などに任せるか」を考えることも重要になります。
例えば、自社にとってコアとなる領域以外は、正社員ではなく業務委託契約などを検討するなどです。
ある会社では、出社している40名ほどのうち、半数が業務委託契約の人材です。肌感覚ですが、このような「正社員と業務委託契約の人材が同じオフィスで働く」という形態の会社が、年々増えてきている印象があります。
この会社の例で言うと、残り半数(約20名)の正社員の多くが営業です。顧客にヒアリングし、新たな商材を考え、それを顧客に提案して売ってくる。自社のコアな領域を担当するからこそ、彼らは正社員として存在しています。
先行きの見えない現代だからこそ、「採用計画」を考える際には「その人材は正社員で採用すべきなのか、それとも業務委託契約などにすべきなのか」をよく考える必要があります。
採用計画の策定方法
採用計画の良し悪しは、そのまま事業の成功や経営に直結します。よって、「経営者こそ採用計画に携わるべき」というのが私の考えです。
こちらの記事では、経営者に向けた採用計画の策定方法について解説してます。一度立ち止まってミッションやバリューについて考えるきっかけにもなるかと思いますので、よろしければご活用ください。
非公開: 経営者こそ知ってほしい!採用計画の策定方法と手順について解説変化を見据えた採用計画の必要性と立て方まとめ
変化を見据えた採用計画の必要性と立て方について解説してきました。
- 変化に対して柔軟に対応できる人材の方が、正社員として雇うのに向いている
- 「事業理念やビジョンで人材を惹きつけていく」といった要素で訴求する採用計画を練る
- 「その人材は正社員で採用すべきなのか、それとも業務委託契約などにすべきなのか」をよく考える
冒頭でも申し上げましたが、計画性のない採用は、たとえ上手くいったとしても採用力の向上には繋がりません。採用力は、そのまま自社の競争力に直結します。
「採用はご縁」などという“運”に任せるのではなく、しっかりと計画を練って変化の多い時代に備えた採用計画を立てていきましょう。
また、採用計画を立てる際には最新の市場予測が必要となります。そういった点からアドバイスできることも多いかと思いますので、お困りの際にはお気軽にご相談ください。オンラインによる無料相談も受け付けております。