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人事のプロに聞く!ウィズコロナの採用でやってはいけない3つのこと

コロナの影響で様々な変化が起こるなか、今後の採用活動に不安を抱える人事の方も多いと思います。

そこで今回は、これまで多くの人事をコンサルティングし、面接官としては10000人もの求職者と面接を行ってきた赤木賢敏さんへのインタビュー記事です。

いわば人事のプロフェッショナルである赤木さんに、「ウィズコロナの採用活動でやってはいけないこと」についてお伺いしました。

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【赤木さんのプロフィールはこちら】
10000人と面接をした男。株式会社ingeny代表 赤木賢敏のプロフィールとインタビュー

【第1回のインタビュー記事はこちら】
人事は黙って経営の本を読め。プロに学ぶ、見習い人事が知っておきたい5つのこと

ウィズコロナこそ新卒採用を止めるな!

松本

アフターコロナ、ウィズコロナの採用で「これだけはやるな!」ってことありますか?
ひとつ言えるのは、新卒採用は1年止めると3年先まで影響が出るから、絶対に止めないほうがいい。

赤木

松本

どういう影響が出ます?
リクルートを例に挙げると、ネットビジネスに参入していったのが2010年くらいで、そのときに30代でネットビジネスできる人が社内に誰もいなかったから、ひたすら中途採用したのよ。

 

それで、そこに追いつくために2014年くらいからネットに特化した新卒採用をやったんだけど、この層はほとんど残ってない。

 

結局、その上の層(ひたすら採用した中途採用層)にイケてるのが誰もいなかったから。

赤木

松本

新卒採用を止めると、良くない地層が出来上がってしまうということですね。
そう、だからやせ我慢でも1人か2人採っておくことが重要だなって改めて思う。

 

サイバーエージェントなんかは、まだ会社が数名の頃からずーっと新卒採用やってるから凄い。

 

採用した新卒が残るか残らないかはどうでもよくて、新卒採用をやり続けることが会社にとって財産になると思うよ。

赤木

松本

なるほど。たしかに、リーマンショックのときに採用を一生懸命やり続けた会社は、いま伸びてますもんね。
中途採用で賄おうとしても、“企業文化”という血が通っている新卒の子じゃないと賄えないからね。

 

言ってみりゃあ、使えない中途はサクッと切って、その浮いた分の人件費を新卒採用に使えばいいんだよ。

赤木

松本

言いますね~。(ドキドキ…)
最近だと、大手でも関係なく45歳から希望退職始めた会社もあるでしょ。あれって実質リストラだからね。

 

新卒採用が会社の生き死にに関わるということを経営者も分かってるから。

赤木

小手先のオンラインに手を出すな!

松本

コロナによってあらゆることがオンラインへと変わりましたが、採用のオンライン化に関して赤木さんはどう思いますか?
今の子たちはラッキーだと思う。

 

だって、「オンラインで自分の話ができるスキル」が当たり前に身につくわけじゃん。しかも自宅でだよ?すごいよね。

赤木

松本

たしかに、その点で言えば大人より学生の方がスキル高そう。
この前ハモネプで優勝したのは、全員ツイッターで出会って練習はリモートっていうチームだからね。

 

本名を知らない、当日初めて会って優勝しちゃうんだから。それ知って「すげぇな」って思ったもん。

赤木

松本

オンラインでのコミュニケーションスキルを持ってることが当たり前になっていきますね。
そこで大変なのはおっさんたちよ。慣れてないから、おっさんは。

 

で、オンライン慣れてないことが「ショボい」って思われる時代が絶対に来ている。

 

不況になって企業側が買い手になってるように見えるけど、逆に個々が時代に取り残されているような社員がいる会社は、学生に馬鹿にされると思う。

赤木

松本

企業側がどこまで変化に追いつけるかですね。
先日も、「オンラインでインターンやったほうがいいですか?」って相談が来たんです。

 

なので、「御社はリモートワークやってますか?」って聞いたら、やってないんですよ。

 

オンラインでインターンをやらせたい気持ちはわかるけど、「インターンシップ=就業体験」とした場合、リモートワークができていない会社や、その体制が整ってない会社がオンラインでインターンできるわけないだろって思ってしまって。

小手先だけのオンライン面接とかオンラインインターンとか流行ってるけど、これって、1990年代に流行った「インターネットで就職」みたいなのと変わんないんだよ。

 

ただ今回違うのは、昔みたいに紙情報がネット化するだけじゃなくて、ビジネスの考え方そのものを変えていかなきゃならないってこと。

 

理解ができてない、準備ができてない会社が小手先のオンラインに手を出したら、とんでもないことになるよ。

赤木

松本

おっしゃる通り。

オンラインの採用活動で使えるノウハウを伝授

松本

とはいえウィズコロナでは、オンラインの採用活動がますます増えてくると思います。

 

そうなった時になにか使えるノウハウがあればお聞かせください。

オンラインのインターンでグループワークをやったときに、「関係性が作りにくい」ってよく言うじゃん?

 

そういうときは「自己開示系のワーク」を思いっきりやればいいよ。

赤木

松本

自己開示系のワークですか?
そう。前にやったときは、学生たちから「もう一回彼らとグループワークがしたい」っていう声が挙がってさ。

 

「彼らともし会う機会があったらめちゃくちゃ嬉しい」ってところまで高められたよ。

赤木

松本

それすごい!参考にさせていただきます。

オンラインの面接には「マタラゾのうなずき実験」

松本

お世辞でもなんでもなく、赤木さん以上に面接スキルがある人を知らないんですよ。

 

なので、オンライン面接で使えるノウハウなんかをご教授いただければと思います。

そうだなぁ。最近は、「マタラゾのうなずき実験」を面接に取り入れてるよ。

赤木

マタラゾのうなずき実験とは

第1パート:自然に応答
第2パート:志望者が話すたびにうなずき、話し終えるまでうなずく
第3パート:自然に応答

 

1パート15分で面接を行う。

 

これにより、第2パートにおける志望者の発言量は第1パートに比べて約50%も増え、第3パートになると発言量は再び減少した。

参照:実は奥が深い!「うなずき」の心理学

松本

へぇ~おもしろい。うなずくだけで相手は話しやすくなるんですね。
よく「オンラインは熱量が伝わらない」って聞くけど、それってオンラインとか関係なくて、自分のメンタルの問題だから。

 

伝わってないように見えるのなら、最初のアイスブレイクで「わかったらうなずいてね」ってちゃんと伝えるとか工夫しないと。

赤木

マスクで見抜けないなら写真で見抜く

松本

先日インタビューした会社では、採用フローにおいて「マスクが厄介だった」と言っていました。

 

マスクを付けた状態でグループディスカッションをやって、次の面接に通したら全然だめで、「なんでこんな子通したの」みたいな。

 

マスクありの就活は今後も継続されると予想されますが、なにか良い方法ありませんか?

僕が担当してる会社では、1次選考の前に「自分らしさを表現する写真」をデータで提出させているよ。

 

エントリー後に、必ず顔が写ってる状態でその人らしい写真を1枚送ってもらう。もちろん、複数じゃなくて1人で写ってる写真ね。

赤木

松本

いいですねそれ。
あとは、笑いを取ることかな。

 

マスクで見えるのは目元の変化くらいだし、「なにで笑うか」で雰囲気がつかめるしさ。

赤木

松本

その人の雰囲気を見抜くには、表情の変化とかどういう反応をするかって重要ですからね。

22卒には「ガクチカ」を聞くな!

いま大学2年生の甥っ子がいるんだけど、「来年の就活厳しいから今のうちに準備しとけ」って言ってんのよ。いろいろアドバイスしてあげてさ。

 

それなのにデパートに入ってる服屋でバイト始めちゃってんの。

赤木

松本

すんません、何の話ですか?

何が言いたいかというと、今までの子たちは大学3年生になってから就活モードになって、そこから「学生時代に頑張ったこと」を作りだすパターンが多かったじゃん?

 

ただ、22卒の子はコロナのせいで「頑張ったこと」がほとんどないんだよ。

赤木

松本

なるほど!コロナで学生時代に頑張ったことが作れなくなったと。
「ガクチカ」の定番だった留学もほとんどないから。

 

そもそもが、大学3年の4月から10月までに「ガクチカ」を作って、それをジャッジしてるっていうだけの“ままごと”だったんだけど、今度はその“ままごと”もない。

 

そんな中でどうやって見極めんのって話。

赤木

松本

これはおもろい!その考えは初めて。
まだ誰もそこに気付いてないし、これは22卒の重要なポイントになると思うよ。

 

まず、22卒で「ガクチカ」を聞くこと自体がナンセンスになってくるよ。

赤木

ガクチカの代わりに「行動の源泉」を聞き出す

松本

「ガクチカ」の代わりに何を聞くかですね。
例えば「レア体験」を聞き出すとか。

 

小学校から今までのレア体験を全部書き出させて、それをもとに行動特性や行動変容を見てジャッジしていくしかない。

 

そこを深堀りしていくと親なり兄弟なり出てくるんだけど、本来親とか出身って面接で聞いちゃいけないポイントなんだよね。

 

ただ、聞かなきゃ見えないところもあるから。

赤木

松本

行動の源泉を聞き出せるかってことですね。
そうだね、本当の意味で内面にアプローチしてあげないといけない。

赤木

松本

例えば今まで「マーチ以上が採用ターゲット」とか決めていた企業は、「行動の源泉がどういう方向性か」の基準に切り替えないと厳しそうですね。
多くの面接官が去年と一緒だと思ってるけど、全然違うのよ。

 

目の前の学生が「半年間くらい何もできなかった」っていう前提で話を聞いてあげないと。

赤木

松本

面接官としての腕がなりますね。
そう、僕みたいな面接官が活きるのよ。「おまえなにやってんの」って最初に聞くもん。

赤木

松本

それはできない。笑
リクルート入社したときの面接ではガンガン聞かれたよ。

 

当時の面接官はひたすら「で?」って聞いてくる人で、3歳からの記憶を1時間かけて聞かれて、最後に「赤木くんマザコンだね!」って言われて終わり。

 

なんやねん!って思ったけど、それで内定だったからよくわかんない。

赤木

コロナで変わる“行動力”の概念

松本

他にガクチカの代わりにジャッジできる部分はありますか?
「行動力」の概念が変わってきてると思う。

 

今まで行動力としてジャッジしていた部分って、「留学しました」とか「バイトをたくさん掛け持ちしました」とかだったじゃん。

 

これからは、「ネットで自分を発信できる」とか、そういう部分を行動力として評価していく必要があると思う。

赤木

松本

行動力もオンラインで示せる時代か。

去年会った女子学生で、月に200~300万をライブ配信で稼いでるのよ。

 

観客が多くないけど太客のおっさんを捕まえてさ、めちゃくちゃ優秀だなと思ったもん。

赤木

松本

え~すごっ!
でもそいつ、明らかに寝坊して寝間着で面接来たんだよ。

 

それなのに一切動揺せず「会議室どこですか?」って堂々と聞いてくんの。笑

 

魅力あるなぁと思って通したけど、その先で落とされちゃった。

赤木

松本

寝間着はやばい。笑
前の話で言ったら欠陥の部分ですね。
他にも、インターンでライターやってる子がいたんだけど、その子は単純に文字を書くことが好きで、「文字を書くだけで数字や結果が動く仕事が面白くてしょうがない」って子だったよ。

赤木

松本

そのエピソードだけでもうちに欲しい…!
結局そういう子たちって、就活を意識してるわけじゃなくて、「自分が面白いと思うことはなにか」がわかって行動してる。

 

すると企業側から「面白そうだな、会ってみたい」ってことで見つかる。

赤木

松本

6割くらいの就活生は、大学3年生になるまで何もやってないですからね。

【第1回のインタビュー記事はこちら】
人事は黙って経営の本を読め。プロに学ぶ、見習い人事が知っておきたい5つのこと

お問い合わせ

今回の記事をお読みいただき、「赤木さんに話を聞いてみたい!」という方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながら赤木さんはホームページをかまえておりません。

お手数ではございますが、赤木さんへのお仕事のご依頼やご相談は、下記のお問合せフォームからお願い致します。


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