コロナの影響で様々な変化が起こるなか、今後の採用活動に不安を抱える人事の方も多いと思います。
そこで今回は、これまで多くの人事をコンサルティングし、面接官としては10000人もの求職者と面接を行ってきた赤木賢敏さんへのインタビュー記事です。
いわば人事のプロフェッショナルである赤木さんに、「ウィズコロナの採用活動でやってはいけないこと」についてお伺いしました。
【赤木さんのプロフィールはこちら】
10000人と面接をした男。株式会社ingeny代表 赤木賢敏のプロフィールとインタビュー
【第1回のインタビュー記事はこちら】
人事は黙って経営の本を読め。プロに学ぶ、見習い人事が知っておきたい5つのこと
ウィズコロナこそ新卒採用を止めるな!
松本
赤木
松本
それで、そこに追いつくために2014年くらいからネットに特化した新卒採用をやったんだけど、この層はほとんど残ってない。
結局、その上の層(ひたすら採用した中途採用層)にイケてるのが誰もいなかったから。
赤木
松本
サイバーエージェントなんかは、まだ会社が数名の頃からずーっと新卒採用やってるから凄い。
採用した新卒が残るか残らないかはどうでもよくて、新卒採用をやり続けることが会社にとって財産になると思うよ。
赤木
松本
言ってみりゃあ、使えない中途はサクッと切って、その浮いた分の人件費を新卒採用に使えばいいんだよ。
赤木
松本
新卒採用が会社の生き死にに関わるということを経営者も分かってるから。
赤木
小手先のオンラインに手を出すな!
松本
だって、「オンラインで自分の話ができるスキル」が当たり前に身につくわけじゃん。しかも自宅でだよ?すごいよね。
赤木
松本
本名を知らない、当日初めて会って優勝しちゃうんだから。それ知って「すげぇな」って思ったもん。
赤木
松本
で、オンライン慣れてないことが「ショボい」って思われる時代が絶対に来ている。
不況になって企業側が買い手になってるように見えるけど、逆に個々が時代に取り残されているような社員がいる会社は、学生に馬鹿にされると思う。
赤木
松本
先日も、「オンラインでインターンやったほうがいいですか?」って相談が来たんです。
なので、「御社はリモートワークやってますか?」って聞いたら、やってないんですよ。
オンラインでインターンをやらせたい気持ちはわかるけど、「インターンシップ=就業体験」とした場合、リモートワークができていない会社や、その体制が整ってない会社がオンラインでインターンできるわけないだろって思ってしまって。
ただ今回違うのは、昔みたいに紙情報がネット化するだけじゃなくて、ビジネスの考え方そのものを変えていかなきゃならないってこと。
理解ができてない、準備ができてない会社が小手先のオンラインに手を出したら、とんでもないことになるよ。
赤木
松本
オンラインの採用活動で使えるノウハウを伝授
松本
そうなった時になにか使えるノウハウがあればお聞かせください。
そういうときは「自己開示系のワーク」を思いっきりやればいいよ。
赤木
松本
「彼らともし会う機会があったらめちゃくちゃ嬉しい」ってところまで高められたよ。
赤木
松本
オンラインの面接には「マタラゾのうなずき実験」
松本
なので、オンライン面接で使えるノウハウなんかをご教授いただければと思います。
赤木
第1パート:自然に応答
第2パート:志望者が話すたびにうなずき、話し終えるまでうなずく
第3パート:自然に応答
1パート15分で面接を行う。
これにより、第2パートにおける志望者の発言量は第1パートに比べて約50%も増え、第3パートになると発言量は再び減少した。
松本
伝わってないように見えるのなら、最初のアイスブレイクで「わかったらうなずいてね」ってちゃんと伝えるとか工夫しないと。
赤木
マスクで見抜けないなら写真で見抜く
松本
マスクを付けた状態でグループディスカッションをやって、次の面接に通したら全然だめで、「なんでこんな子通したの」みたいな。
マスクありの就活は今後も継続されると予想されますが、なにか良い方法ありませんか?
エントリー後に、必ず顔が写ってる状態でその人らしい写真を1枚送ってもらう。もちろん、複数じゃなくて1人で写ってる写真ね。
赤木
松本
マスクで見えるのは目元の変化くらいだし、「なにで笑うか」で雰囲気がつかめるしさ。
赤木
松本
22卒には「ガクチカ」を聞くな!
それなのにデパートに入ってる服屋でバイト始めちゃってんの。
赤木
松本
ただ、22卒の子はコロナのせいで「頑張ったこと」がほとんどないんだよ。
赤木
松本
そもそもが、大学3年の4月から10月までに「ガクチカ」を作って、それをジャッジしてるっていうだけの“ままごと”だったんだけど、今度はその“ままごと”もない。
そんな中でどうやって見極めんのって話。
赤木
松本
まず、22卒で「ガクチカ」を聞くこと自体がナンセンスになってくるよ。
赤木
ガクチカの代わりに「行動の源泉」を聞き出す
松本
小学校から今までのレア体験を全部書き出させて、それをもとに行動特性や行動変容を見てジャッジしていくしかない。
そこを深堀りしていくと親なり兄弟なり出てくるんだけど、本来親とか出身って面接で聞いちゃいけないポイントなんだよね。
ただ、聞かなきゃ見えないところもあるから。
赤木
松本
赤木
松本
目の前の学生が「半年間くらい何もできなかった」っていう前提で話を聞いてあげないと。
赤木
松本
赤木
松本
当時の面接官はひたすら「で?」って聞いてくる人で、3歳からの記憶を1時間かけて聞かれて、最後に「赤木くんマザコンだね!」って言われて終わり。
なんやねん!って思ったけど、それで内定だったからよくわかんない。
赤木
コロナで変わる“行動力”の概念
松本
今まで行動力としてジャッジしていた部分って、「留学しました」とか「バイトをたくさん掛け持ちしました」とかだったじゃん。
これからは、「ネットで自分を発信できる」とか、そういう部分を行動力として評価していく必要があると思う。
赤木
松本
観客が多くないけど太客のおっさんを捕まえてさ、めちゃくちゃ優秀だなと思ったもん。
赤木
松本
それなのに一切動揺せず「会議室どこですか?」って堂々と聞いてくんの。笑
魅力あるなぁと思って通したけど、その先で落とされちゃった。
赤木
松本
前の話で言ったら欠陥の部分ですね。
赤木
松本
すると企業側から「面白そうだな、会ってみたい」ってことで見つかる。
赤木
松本
【第1回のインタビュー記事はこちら】
人事は黙って経営の本を読め。プロに学ぶ、見習い人事が知っておきたい5つのこと
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