「説明会には来てくれるが、選考まで来てくれる学生が少ない」
「そもそも学生の志望度が低い気がするし、どこまでやればいいかわからない」
多くの企業が採用活動の一環として行う会社説明会ですが、このようなお悩みを抱える担当者の方も多いかと思います。どの企業も「その後の選考」につなげるために労力を割いていることに変わりないはずですが、開催する状況は各社によって違いが出るものです。
そこで今回は、会社説明会を開催する目的を3つに分けて、それぞれの目的を達成するための方法についてご紹介致します。
会社説明会の目的は「集める・高める・絞り込む」
採用方針にもよりますが、会社説明会には大きく分けて3つの目的が考えられます。
- 母集団形成のために、まずは学生を集める
- より多くの学生の志望度を高める
- 採用したい学生を絞り込む
それぞれやるべきことが変わってきますので、1つずつ解説していきます。
母集団形成のためには、学生の求める要素を盛り込む
大手企業と違い、知名度も採用予算もないという中小企業は数多くあります。そういった状況で説明会に学生を集めるためには、プラスαで学生が求める要素を盛り込む必要があります。
例えば、会社説明会だけを開催するのではなく、「就活セミナー」といった内容を添えるのもいいでしょう。
担当者
このような事例を聞きたい学生はたくさんいますし、「あの会社のエントリーシート対策講座はすごく役に立つ」という価値を生み出すことになります。
異なるテーマで複数回イベントを開催する
年間で複数回開催するとして、それぞれ異なるテーマでイベントを開催するという手もあります。ゲストを迎えるなどして、参加する学生のニーズに応えていきましょう。
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- 25歳で個人売上5億円を達成した営業のエースが登場して、営業職の魅力を語ります!
- スーパーママさん社員5名による座談会付き!仕事と家庭を両立しているキャリアについて語ります!
- 社長に会いたい=会社のビジョンを知って、ビジョンに共感した就職をしたい
- 営業に会いたい=営業職としてキャリアを歩みたい。どの会社の営業で働くか検討したい
- ママさんに会いたい=女性として結婚や出産をしても続けられる会社で働きたい
今まで会えなかった学生と出会えるチャンスとなり、その中には自社が求めていた人材がいるかもしれません。
学生の参加しやすい説明会を開催する
たとえ学生が参加したいと思う説明会であっても、極端な話、その説明会が朝の6時から始まるとしたら誰も参加しません。開催してほしい時間帯や所要時間など、学生にもそれぞれニーズがあります。
そのニーズに応えるような説明会を開催するだけで、学生の集まり方は変わってきますので、ぜひ意識してみてください。詳しくは記事後半で解説しております。
また、例えば朝・昼・夕方と1日3回開催するよりも、月・水・土曜日にそれぞれ1回ずつ開催したほうが学生にとっては参加しやすくなります。時間帯の選択肢を増やすのではなく、日程の選択肢を増やすように心がけましょう。
より多くの学生の志望度を高める
次に、「この説明会を通して自社の志望度を上げてもらいたい」という場合です。ここで重要なのは、自社の魅力をしっかりと伝えきるプレゼンをすることです。また、採用ページなどを読み込んでいない学生も多いという前提で、ゼロから伝えることを意識しましょう。
どの学生がどういった会社選びの基準なのかはわかりませんので、「若手の裁量が大きい」「ワークライフバランスがよい」など、いくつかの要素をしっかりと整理して自社の魅力を伝えましょう。
「しっかりと伝えきる」というのは、社内の生々しい情報や事例なども含めて、ということです。
A社
B社
この2つの場合、後者の方がより生々しい情報であり、こういった話をしっかりと伝えきることです。それが自社にとってのマイナス面であっても、「こういう価値観の人は相性が悪い」といった情報は、ある程度提示していきましょう。
マイナス面を提示して「誠実な会社」という印象を与えることはメリットになります。そういった印象は志望度に大きく影響してきますし、入社後のお互いのためにも、自社に合わない人には受けてもらわないほうがいいわけです。
説明会で志望度を高めるためには?
志望度が高まる要因の1つに、「私のことを大切にしてくれた」という体験があります。人間誰しも、駒のように扱われるよりも、ひとりの人間として大切にされた方が嬉しいものです。
- 「学生を100人集めて担当者が一方的に話をする」
- 「学生6名、現役社員2名の計8名で座談会をする」
このような2つの構造があったとすれば、オンラインであれオフラインであれ、当然ながら後者の方が志望度は上がりやすくなります。ある程度の人的コストはかかりますが、志望度を高めたいのであればここは投資すべき部分と言えます。
採用したい学生を絞り込む
採用したい学生を絞り込むということは、ある程度学生を集めることができていて、より効果的な採用活動をするための「フィルター」として会社説明会を活用するということです。
“絞り込む”わけですから、志望度の高い学生に向けて説明会を進行していきます。
担当者
説明会の冒頭から、このくらい強気に始めてもいいくらいです。事前準備をしていない学生からは「冷たい会社だな」と思われるかもしれませんが、しっかりと準備をしてきた志望度の高い学生にとっては、そのような説明会の方が満足度は高くなります。
志望度が高く、事前準備ができている前提で説明会を進めた場合、以下のようなメリットが考えられます。
- 「良い質問をする学生を見極められる」
- 「準備をしてきたことで志望度が見極められる」
- 「準備をしてきた学生の志望度をさらに上げることができる」
採用したい学生を絞り込む場合には、参加者全員にではなく一部の学生に語りかけるように心がけましょう。
ライブ形式の説明会で「会社の実力」を伝える
学生が気にする「会社の実力」を説明会で伝えることも可能です。
担当者がただ一方的に話すのではなく、ライブ形式でQAを行うような説明会であれば、自社の実力を実感してもらうことができます。学生は、説明会のQAを担当した社員を通して「会社の実力」を感じ取るものです。
「採用したい学生を絞り込む」のが目的であれば、説明会後の選考(ペーパーテストなど)を行う手もあります。せっかく開催した会社説明会を“ただの説明会”にするのではなく、“選考の一部”として活用しましょう。
【オンライン採用】面接や説明会で採用担当者に必要なスキルとは?
データで読み解く!学生が求める「理想的な会社説明会」とは?
ここからは、学生が会社説明会に参加しやすい時間帯や聞きたいことなどをデータをもとに読み解いていきます。「まずは学生を集めたい!」という目的の方はぜひ参考にしてみてください。
説明会の適切な所要時間と参加しやすい時間帯は?
出典:マイナビサポネットより(マイナビ学生就職モニター調査資料より)
この2つは、学生に聞いた「最も参加しやすい説明会の時間の長さ」と「参加しやすい時間帯」を表したものです。最も参加しやすい長さは「1時間以上2時間未満」で、参加しやすい時間帯は「12時から15時」ということがわかります。
説明会で学生が聞いたこと・聞きたかったことは?
出典:マイナビサポネットより(マイナビ学生就職モニター調査資料より)
学生が聞きたかったことの1位は「実際の仕事内容」で、2位が「社風」ですが、ここで注目したいのは、一番左の「企業理念」の部分に大きなギャップが生じていることです。
これは、学生はたいして興味がないのに企業側が勝手に企業理念について話をしている、ということになります。
学生
企業側と学生側の些細なズレが、志望度を下げることになりかねませんのでご注意ください。
説明会の予約から開催までの適切な期間は?
出典:マイナビサポネットより(マイナビ学生就職モニター調査資料より)
これを見てわかることは、早すぎても遅すぎてもダメということです。
学生の求める「2週間前」を目安に予約受付を始めましょう。
- 2週間前に予約受け付け開始
- 12時~15時の間で90分(13時~14時30分など)
- 企業理念は置いといて、学生が聞きたいことを重点的に
会社説明会を成功させるためのポイント
会社説明会を開催する目的を3つにわけて、それぞれの目的を達成するための方法について解説致しました。
- 会社説明会を開催する目的は、「集める・高める・絞り込む」
- 学生を集めるためには、学生が求める要素を盛り込んだイベントやセミナーも開催する
- 志望度を高めるためには、自社の魅力をしっかりとゼロから伝えきるプレゼンをする
- 有望な学生を絞り込むためには、参加者全員にではなく一部の学生に語りかけるなど差別化を図る
会社説明会を開催する目的は様々ですが、いずれにせよ、採用活動の序盤で学生と接する重要な機会となります。ひとりでも多く優秀な学生を選考に繋げるためにも、しっかりと準備をしていきましょう。
今回ご紹介した内容について、もう少し詳しく話を聞きたいという方がいらっしゃいましたら、オンラインによる無料相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。